ADHDには運動療法が効果的
公開日: 5:54 ADHD
ADHD(注意欠陥・多動性障害)の改善に運動療法が効果的だとの研究があります。1日1回エアロバイクなどの運動をすることで、意欲やモチベーションの低下を緩和することができるというのです。
ADHDの人は、落ち着きがなく、衝動性や注意の障害などがあるため、何かをするにあたって動機を維持しつづけるのが難しいことがあります。
研究では、重度のADHDと診断されている18歳〜32歳の男性32人が対象となりました。
「CPT(continuous performance task)」と 「BVT(Bakan vigilance task)」という注意障害を測定するテストを実施した後、20分間エアロバイクで運動して、再度テストを受けるという流れです。
その結果、すべての参加者が、エアロバイクをこいだ場合のみ、テストに対する不安や疲労感、拒否感がなく、アンケートでも前向きな気分で取り組めたと回答していた。テストの結果については、運動をした場合と休息をした場合で特に変化はなかったという。 研究者らは、「さほど面白くない実験室内でのエアロバイク程度の運動でも、明白にADHDの症状が改善している」とコメント。今後、規模を拡大して運動の種類などを検討し、運動療法の確立を目指したいとしている。ADHDの症状を緩和させたのは 20分間の運動だったもとの論文では、
ADHDの重い症状のある若い男性では、中程度の自転車運動を20分間することで、一時的に認知課題へのモチベーションが高まり、エネルギー感が増加し、混乱や疲労、抑うつといった感情が減る。しかし、注意や多動性の行動測定では効果がなかった。Acute Exercise Improves Mood and Motivation in Young Men with ADHD Symptomsとの結論です。
主観的には意欲やモチベーションが高まり、精神状態はよくなるけれど、注意力そのものはあまり変わらないということのようです。これは、「CPT(continuous performance task)」や 「BVT(Bakan vigilance task)」の結果でしょうか。
ミシガン州立大学のアラン・スミス教授は、幼稚園児から小学校2年生の児童200人に、12週間にわたって登校前に有酸素運動させる実験を行ったところ、運動プログラムに参加したすべての子どもが算数の学力や国語力がアップし、脳機能の向上が確認できましたが、驚くべき事に、運動プログラムに参加したADHDの症状を持つ子どもは、健常な子どもよりもはるかに脳機能の改善が見られたとのこと。スミス博士は「今回の研究は、ADHDの症状を抱える子どもにとって、座学よりも体を動かす方がはるかに症状の改善に効果的であること示しています」と述べています。また、スミス博士は小学生に8週間にわたって毎日26分間の運動を行わせたところ、ADHDの症状が和らいだことも確認しています。注意欠如・多動症(ADHD)の症状を和らげる良薬は「運動」であるという研究報告との研究報告もあるようなので、効果はあるようです。
そもそも、「じっとしているよりは動いてる方が好き」な人たちですから、運動している方が脳がよく機能するというのも当然なのかもしれませんね。
こちらの本は、ADHDや自閉症スペクトラムなどの発達障害をもつ子どものための運動療法について書かれています。
発達障害児の身体運動における特性に焦点をあて、姿勢の安定化、四肢・体幹操作の成熟を目標とした運動療法を解説。 具体的には、適切な評価から導き出した結果から、障害構造に適した様々な運動療法を組み立て、運動機能の改善だけでなく、コミュニケーションあるいは社会性の向上を目指したアプローチである。とのこと。
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