大人のADHDとは
公開日: 23:09
以前は発達障害といえば、子どもの育ちや適応の問題として語られることがほとんどでした。ところがここ何年か、「大人の発達障害」に注目されることが多くなってきました。NHKの番組でも、大人の発達障害が特集されるなど、社会的な認知が進んできたと言えます。
大人の発達障害のなかでも、「アスペルガー症候群」は、最初に注目されました。対人関係がうまくもてず、こだわりが強いことなどから、仕事場面で問題になることが多いからだと思います。
ところが、実際はアスペルガー症候群(現在では「自閉症スペクトラム障害」と呼ばれます)よりもADHDの患者の方がかなり数が多いことが明らかになってきています。
大人のADHDの症状
ADHDとはAttention Deficit Hyperactivity Disorderの略で、日本語では「注意欠陥多動性障害」と名付けられています。不注意などの注意の障害と、多動性・衝動性などが主な症状です。
上にも述べたように、近年、大人のADHDが注目されるようになってきました。自ら違和感をもって、あるいはテレビで観たことなどをきっかけに、本やネットで調べて「自分はADHDではないか」と考える人もいますし、家族や同僚から指摘されたことがきっかけとなる人もいます。
このような症状が見られます。
- ケアレスミスが多い。
- 物をよくなくす。
- 計画性がなく、仕事を先延ばしにしてしまう。
- やるべきことを忘れてしまい、約束を守れない。
- 片づけが苦手で、部屋や机の上がいつも散らかっている。
もうひとつは「多動性・衝動性」に関係する症状があります。
- いつもそわそわと動いている。
- 落ち着きがない。
- 不適切なことをうっかり言ってしまう。
- 一方的に話す。
- イライラしやすい。
- 思いついたらすぐ行動してしまい、待てない。
原因は? どれくらいの多いのか?
では、ADHDの原因はなんでしょうか? まだはっきりと解明されていないことも多いのですが、家庭環境や育ち方ではなくて、生まれながらの脳の特徴と関連しているというのが共通見解になっています。学齢期の子どもの場合、ADHDの有病率は3〜7%です。大人のADHDは、人口の2〜5%程度と考えられています。クラスに1人くらいADHDの人がいても、ぜんぜんおかしくはないのです。
大人のADHDの場合、子どものころから不注意や多動性に気づかれていて、成人してもそうした症状が残っている場合と、大人になって初めて気づかれる場合があります。子ども時代にADHDと診断された人のうち、3〜5割くらいが、大人になってからもADHDに関係するなんらかの問題を感じているといいます。逆にいえば、過半数は、大人になるにつれて問題が解消されていくということです。
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