ADHDの原因遺伝子特定、遺伝子重複と進化について
公開日:
21:47
ADHD
精神医学
注意力や落ち着きがなくなる注意欠陥多動性障害(ADHD)などの神経発達障害は、特定の遺伝子が重複して存在すると引き起こされることを、大阪大の山下俊英教授(神経科学)のチームがマウスの実験で突き止め、5日付米専門誌電子版に発表した。ADHDの原因遺伝子特定、阪大 新治療法に期待
というニュースです。
まあ、すぐに何か画期的な治療法が生み出されるというわけではなさそうですが、原因の究明が一歩進んだということですね。
「遺伝子の重複(ちょうふくと読むのだ)」ってどういうことだろうと思ったのでGoogle先生に聞いてみた。
遺伝子重複(いでんしちょうふく、gene duplication / chromosomal duplication)とは、遺伝子を含むDNAのある領域が重複する現象のことである。遺伝子重複が起こる原因としては、遺伝的組換えの異常、レトロトランスポゾンの転移、染色体全体の重複などがある[1]。 遺伝子の重複だけでなく、ゲノム全体の重複も珍しいことではない。例えば酵母のゲノムは1億年ほど前に重複したと考えられている[2]。また植物では頻繁にゲノム重複が起こっており、コムギは6つのゲノムセットを持つ6倍体である。wikipedia
ふむ。
wikipediaの記述で興味深かったのが「遺伝子重複と進化」に関する次の箇所です。
重複した遺伝子の一方は選択圧から解放される。これは同じ機能を持つ二つの遺伝子が存在する場合、一方が突然変異を起こしてその機能を失っても(もしくは変化させても)、もう一方が正常に機能していれば生物の生存に支障が無いためである。そのため重複した遺伝子では、単一の遺伝子よりもはるかに早く、経代に伴う変異が蓄積される。 重複遺伝子は、従って進化の主要な役目を担うと考えられており、100年以上も前から学界において支持されてきた[3]。大野乾はもっとも有名な提唱者の一人であり、著書 "Evolution by gene duplication" (1970年)を著した人物でもある[4]。重複遺伝子は共通祖先の出現以来、最も重要な進化の原動力であったと主張する人もいる。
やっぱりね。ADHD系の人々は、人類の進化にも大きく貢献してきたのです。きっと。
遺伝子レベルだけじゃなくて、ミーム(人類の文化を進化させる遺伝子以外の遺伝情報)の進化に関しても、
ADHDの人が活躍したに違いないと思っています。